猫ロスを癒すには、猫成分を補充すべし。


#15へ続く
たとえ心の準備があっても辛い。
わたしは、はんぞうさんと暮らす前から、「ペットロス」について書かれた本を読んでは「ペットロスとは」「ペットロスにならないためには」と勉強をしていました。
(猫飼ってないくせに‥)
そのため、はんぞうさんの具合が悪くなってからも、絶対に治してあげたいと思う傍で、ペットロスにならないよう、悔いの残らないようにと、心の中で無意識に予防線を張りながら闘病に寄り添い続けていました。
しかし、そうやって予防線を貼っていても、1年半という短い期間しか一緒に暮らしていなくても、悲しさと喪失感に打ちのめされてしまいます。
毎日同じ空間で生きていた生き物の命が消えてしまうということは、こういうことなのかと、失って初めてその重みを感じることになったのでした。
準備をしておくことの大切さ。

メンタル面での心づもりはできていたわたしですが、一点やり残していたことがあり、そのことで辛い思いをすることになりました。
それは、亡くなったあと火葬をどうすればいいのかという、非常に具体的な問題でした。
頭の中ではわかっていても、猫が元気なうちは「そんなことまだ考えなくていい」と思いますし、
いざ、闘病生活に入ってしまうと、苦しむ猫の横で亡くなった後の事を調べるなんて、とてもできないのではないでしょうか。
わたしも、頭では準備しなければと思っていたのですが、結局なかなか具体的な行動にうつすことができず、保留にしてしまっていました。
そのため、悲しみのどん底にいる時に、自分自身で「火葬をどこでお願いすればいいのか」「火葬後はどうするのか」といった事務的な事を調べ、問い合わせ、決行しなければならなかったため、本当に辛かったです。
ただ悲しんでいたいだけなのに、それができない状況というのはとても辛いものですね。
なので、そうならないためには、猫ちゃんが元気な時に、ご自身の住まわれているエリアで安心してお願いできる業者さんの目星をつけておく ことをおすすめします。
ペット葬儀の悪徳業者もいますので、冷静な時に冷静な目で見極めておいきたいものです。
空になった猫成分を補給してくれる、画面越しの猫。

amazing って猫にも使うんだと地味に勉強になりました。
はんぞうさんの葬儀が終わった後も、毎日泣き暮らしてはいられず、日常生活は日々淡々と過ぎていきました。
そんな中、子猫の様子を24時間ライブ配信しているUstreamのチャンネルの存在を知りました。
それは、カナダのバンクーバーにある動物保護施設に保護された、
母親猫と子猫6匹の家族の映像でした。
子猫が里親を募集できるようになるまでお世話をするボランティアさんのお宅から、まさに24時間ずっと配信されており、まだ若い母猫の甲斐甲斐しい子育てを、遠く離れた日本から見守ることができました。
猫の命を身近に感じる事ができなくなった家で、画面越しとはいえ猫が生きている様子を見守ることができるという状況に、わたしはすっかりはまって行き、仕事の空き時間や電車の移動時間にも覗くようになっていったのです。
子猫たちのかわいらしさはもちろんですが、ペチュニアちゃんという母猫もとてもかわいく、
甲斐甲斐しく子猫のお世話をする様子に、世界中の人たちが様々な言語で次々にコメントをつけていくのも、見ていてとても楽しかったです。

日本時間だと、猫たちのおやすみ時間に当たることが多かったので、
時差を計算し(時差16時間:日本時間22:00=カナダ時間6:00)深夜に覗くこともありました。
ただただ、猫が息をして、ご飯をばくばく食べて、すやすや眠っているのを見るだけで、
幸せな気持ちになっていきました。
きっとこの配信を見る事がなかったら、わたしのペットロスはもっと長く続いていたと思います。
子猫の里親が見つかるまで配信は続き、無事に最後の子の家族が決まった時には感動のあまり涙が溢れ、わたしは立ち直る第一歩を踏む事ができたのです。
ペットの初盆 〜弔いの儀式は飼い主の心を救うために

そうやって、遠く海を渡ったバンクーバーの猫親子に癒され、少し前向きになれたころには、お盆の季節になっていました。
初盆だし、お盆の迎え火・送り火をやりたいなと考えていたところに、
元来のものづくり好きの血が騒ぎ、猫バージョンの精霊馬を作ることを思いつきました。
猫にしてしまうと、本来の意味とは異なってしまうのですが‥
その辺は、ビジュアル重視で、結果まずまずの出来栄えとなりました。
そして、単純に作っている間はとても楽しかったです。
そして、このわたしの出来心が、次の出会いを産んだのではないかと、本気で考えています。

以上、
「#14 ペットロスを癒す、救いのしっぽ。」でした。
おそまつさまでした。
お付き合いいただきありがとうございます!
#15 へ続きます!
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#13 大人の猫を迎え入れるということ
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