しっぽに導かれ、出会う。




#17へ続く
生き物のあたたかさ
かわいい子猫を眺めるだけのつもりが、ペットショップの店員さんに促されるがまま、その子を抱っこすることになりました。
見てるだけで充分なのに‥と思いつつも、猫に触りたいという欲求には抗えません。
実はこの時、子猫を抱っこするのは初めてで(子猫に触れる機会がなかったので‥)とても緊張したことを覚えています。
プライスダウンの理由

ちなみに、一般的な値段の1/3くらいになってました。
店員さんの説明によると、その子は生後3ヶ月のスコティッシュフォールドの男の子。入店時は耳が折れていたが、成長するにつれて徐々に耳が立ってきたのだと説明を受けました。
スコティッシュの最大の特徴である、耳が折れていなかったことと、白黒ハチワレ靴下柄であったことから、わたしの目には雑種の子猫にしかみえませんでした。
また、その子は明らかに他の子たちよりも大きく、いたいけな子猫というよりは、子猫ではあるけれどもちいさな成猫といったような、少し大人びた雰囲気が印象的でした。
その子を抱っこしながら、店員さんの話を聞く中で、「プライスダウン」の内情を感じ取りました。
よく食べ、よく動く、その元気な姿への安心感。

頭の中ではプライスダウンについて考えていたのですが、腕の中では抱っこした感覚を楽しんでいました。
とてもあたたかくて柔らかい。
身体つきは3ヶ月ながらもムチムチしていて毛艶もいい。
前足が太いのは大きくなる証拠。
はんぞうさんを最後に抱っこした時、その身体は硬く冷たかった。
今、この子はとても あたたかい。
この子はきっと、少ないご飯でも栄養をきちんと吸収できる元気な子なんだろう。
きっと、わたしの出したご飯をたくさん食べてくれるはず。
もう、あの時みたいに心配しなくてもいいんだ。
他の人にとってのマイナスがむしろプラスに。
耳の折れているスコティッシュフォールドは、確かに愛らしい。
でも、わたしは耳が立ってる方が断然好き。
逆に入店時に出会っていたらわたしの関心は向かなかったかもしれません。
小さすぎる子猫だと、見守ることができない時間が怖いけど、この子くらいの大きさなら安心感がある。
そして、憧れのハチワレ靴下柄、あふれる雑種感(?)、おまけに鼻と肉球がピンク‥
もしかしたら、この子はわたしにとって理想的なのでは??
最大の謎?に背中を押されて。

とはいえ、今日は本当に散歩に来ただけなのに‥
子猫と暮らすってことは、これから10年以上付き合っていくことになるだろうし‥
そんなことを、こんなノリで決めていいんだろうか‥
それに、アレルギーなんだから家の中でマスク生活に逆戻りすることになるのか‥
さすがに即決することはできず、かといって手放すこともできず、マスクもなしに20分ほど抱っこしながら店員さんと話をしていました。
その間、ずっといい子に抱っこさせてくれることで、わたしのその子に対する執着が益々深まりました。
「抱っこさせてくれる猫、ずーっと憧れてたんだよね。はんぞうさんは他のことは何でも受け入れてくれたけど、抱っこだけは完全拒否だったもんな‥」
普段なら、猫アレルギーの症状が起きてもおかしくない時間なのに、その気配がまったくありません。野良猫ちゃんだと5〜10分近くにいただけでくしゃみが止まらなくなります。
「そいうえば、アレルギー症状が出る時に感じる特有の「来るな‥」っていう感覚がなかった。」
「もしかして‥はんぞうさんとの暮らしで、アレルギー克服したとか?」

結局のところ、未だにアレルギーの謎は解明できてはいませんが、
このようにして、その子と始まる新しい暮らしに向けて決意を固めたのでした。
以上、
「#16 子猫を飼う決意」でした。
おそまつさまでした。
お付き合いいただきありがとうございます!
#17へ続きます!
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#15 子猫に出会う
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