子猫に選ばれる寝床とは


#20へつづく
子猫とわたしの微妙な距離
亡きはんぞうさんと初めて一緒に眠った時、あまりにも当然のように枕元で眠ってくれたので、わたしの中では飼い猫は飼い主と寄り添って寝たいと思っているのだという考えが頭にありました。
そのため、子猫をゲージから出せばすぐにわたしの所に来てくれると思っていたのです。
しかし実際は、自由にしたものの、決して同じベッドで寝ようとしない子猫にジレンマを感じる日々が続きました。
日々、頑なまでに居心地が良さそうには思えない場所で寝ている姿を見ているうちに、もしかしたらと思い当たることがありました。
子猫が寝場所に選んでいるのは、微妙な場所ではありましたが、必ずわたしのベッドから半径1M以内に位置していたのです。
隣の部屋や、当初の子猫の居場所のゲージの扉も開けており、その気になれば自由に出入りできたはずなのですが、子猫はあえてわたしのベッドの近くで寝続けているように見えたのでした。
この子にとっては、人と密接するのでもなく、離れすぎるのでもなく、この微妙な距離こそが一番安心できる空間であると感じているのではないか。
わたしはその考えを実証してみることにしました。
ハンモックで猫ホイホイ作戦

それを実証するためのある作戦、
その名も「ハンモック猫ホイホイ作戦」。
もう、その名の通り猫の喜びそうなハンモックを買って、ベッドの側に置くという、ただそれだけの作戦でした。でも、子猫が寝ている範囲内に魅力的な寝床を用意してあげたら、きっとそこを選択するはず!
選んだハンモックは、布の部分が取り外しができ洗濯可能、使わない時は部品を外す事でコンパクトになるタイプ。そして、前足が太く体型からも大きな成猫になりそうな予感がしていたので、それに耐えられるようなサイズ感で丈夫なもの。
家に届いたそのハンモックは、我が家の猫用グッズの中でもキャットタワーに継ぐ、しっかりとして長く使えそうなものでした。
わたしの勝利‥としておきます。
設置したはいいが、結局子猫が使わなかった時には畳んでそっと仕舞っておこう‥と、少し弱気なことを考えつつ、早速組み立ててベッドの隣に置いてみました。
あとは運を肉球に任せて‥。
わたしの心配を軽く吹き飛ばすように、子猫は、子猫らしい好奇心の旺盛さを見せ、ハンモックにすぐさま反応しました。
ぴょんっ
子猫がハンモックに登り毛づくろいを始めた姿を見た瞬間、作戦の成功&勝利を確信しました。
その日以降、わたしの狙い通り子猫はそのハンモックで眠るようになったのです。
残念ながら、横になったまま枕元からハンモックを見ると、身体の小さい子猫が眠っている姿を見る事はできませんが、朝起きた時にちゃんとハンモックの中にいる事がわかると、しみじみと嬉しくなったことを覚えています。
越すに越せない微妙なボーダーラインが存在する、らしい。

寝床選びには、彼なりの掟が存在するらしいです。
ハンモックを置く位置にも多少工夫をし、最初のうちは警戒されないようにハンモックをベッドの足側の方に置いていました。
しかし、成功のあとには欲も出てくるものです。
元々顔の近くで寝てほしいという願望があったため、1日ごとにこっそりと頭側に移動させてみることにしました。
ところが、私の胸のあたりの位置までハンモックを移動させた時、子猫はまた以前のようにエクササイズマシンの隙間で寝るようになってしまったのです!

わたしは慌ててハンモックの位置を戻しました‥。
ハンモックをわたしの腰くらいの位置まで戻すと、無事子猫は戻ってきました。わたしは胸をなでおろし、それ以降はハンモックの位置を変えず、安心した子猫は毎晩そこで眠ることが日課となりました。
そして、7年経った今でも、その頃と同じこだわりの距離感で眠っています。
以上、
「#19 子猫の寝床を勝ち取れ! 」でした。
おそまつさまでした。
お付き合いいただきありがとうございます!
#20へ続きます!
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#18 子猫を飼う、理想と現実?
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